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昔は「熱中症」という病気は無かった!?

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昔は、「熱射病」「日射病」ってよく聞きました。2000年ころ、日本神経救急学会と日本救急医学会によって暑さ、蒸し暑さ、強烈な日差しなどの環境でおこる体調不良を、総じて「熱中症」と統一されてからは、急激に「熱中症」として広まりました。
しかし、熱射病と日射病が熱中症に取って代わったわけではありません。従来、熱痙攣(けいれん)、熱疲労、熱射病といった症状ごとに個別に対応していたものを、客観的な重症度を設けることで、本人や周囲が早期に異常を発見して、適切でスムーズな処置が受けられるようにしたのです。

昔と今どう違う!?

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  1. 真夏日、猛暑日、熱帯夜の増加、都市部のヒートアイ ランド現象によって日本の夏は昔よりも確実に暑くなっている。(東京の猛暑日は30年前の7倍)
  2. 高齢者、ひとり暮らし、経済的弱者など、熱中症の発見が遅れやすい「熱中症弱者」といわれる層が増加した。
  3. 報道などにより「熱中症」の認知度が上がり、熱中症とみられる症状での医療機関の受診件数が増えた。

日々の生活の中で、暑さに対する工夫をしましょう

1.気温・湿度のチェック 
「 暑さ指数」を参考に、室内ではエアコン、扇風機等使用し、調節しましょう。温度が低めでも湿度が高いときは注意が必要です。
2.こまめな水分補給
のどの渇きを感じる前に水分を補給しましょう。運動時や屋外での労働時は15分~20分毎に休憩をとり、水分補給しましょう。
3.暑い中での無理な運動は避ける
運動経験がない人は暑い日の運動は避けましょう。
慣れている人でもこまめに休憩をとる、暑い時間帯の運動を避けるなどの対策をとってください。
カット4.服装
吸水性や速乾性に優れている通気性のよい素材を選ぶようにしましょう。
5.体調管理
疲労や体調不良が熱中症の発生リスクを高めます。
寝不足や食生活の乱れがないように日頃から体調管理を怠らないようにすることが大切です。

もし熱中症かなと思った時は

  1. すぐに医療機関へ相談、または救急車を呼びましょう。
  2. 涼しい場所へ移動しましょう。
  3. 衣服を脱がし、体を冷やしましょう。
  4. 塩分や水分を補給しましょう。(嘔吐の症状が出ていたり意識が朦朧としていたら、無理やり水分を飲ませるのはやめましょう)
熱中症の症状
●めまいや顔のほてり  ●筋肉痛や筋肉のけいれん  ●体のだるさや吐き気
●汗のかき方がおかしい  ●体温が高い、皮膚の異常
●呼びかけに反応しない、真っすぐ歩けない