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今注目される生活習慣病「睡眠」について

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睡眠時間は1970年、平均約8時間に対して、2015年には7時間15分と年々短縮される傾向があります。睡眠時間は短縮しているばかりではなく、睡眠の質に満足できなかったなど、成人の約7割の方が睡眠の質の低下に悩んでいるともいわれています。

睡眠時間の影響(少なくても、多すぎても)は糖尿病、肥満、高血圧、メタボリックシンドロームなど合併症の危険性を高める病気に影響するということも明らかになってきています。

不眠症には

入眠障害(寝付きが悪い)、中途覚醒(夜中に頻回に目が覚める)
早期覚醒(朝早く目が覚める)、熟眠困難(熟睡感がなく寝ても疲れがとれない)

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などの症状があり、日頃の生活にも障害を来します。原因には体の状態、心の状態(ストレスや心の病気)、夜に仕事をする時差ぼけなどの影響があげられます。

不眠症に対する治療は原因が明らかな場合、まずその原因に対する治療を行い、他に明らかな原因がない場合は、生活習慣や環境の是正(非薬物療法)、睡眠薬による治療となります。

生活習慣や環境の是正(非薬物療法)

  1. 規則正しい食生活(空腹のまま寝ない、寝る前に胃もたれするものは避ける)
  2. 快適な寝室環境(部屋は暗くし、快適な温度を保つ)
  3. 定期的な運動(適度な有酸素運動は寝付きがよくなり、睡眠が深まります)
  4. 就寝前のお酒は避ける(寝酒は眠りが浅くなり、夜間の目覚めが増えます)
  5. 就寝前のカフェイン(コーヒー、緑茶、喫煙)を避ける
  6. 就寝前の水分とりすぎ(トイレが近くなります。必要な方もいるので主治医に相談を)
  7. 寝床での考えごとは避ける
  8. 就寝前の喫煙は避ける(たばこに含まれるニコチン精神刺激作用)

睡眠薬による治療

入眠障害(寝付きが悪い)、中途覚醒(夜中に頻回に目が覚める)、早期覚醒(朝早く目が覚める)などの症状によって薬を使い分けます。また、睡眠と関連するメラトニンやオレキシンというホルモンに関連する薬も出てきていますが、不眠症が改善すれば適切な時期に主治医と相談して睡眠薬の減薬、休薬を試みましょう。



薬剤師:佐藤 栄司