歯周病は、網膜症・腎症・神経障害・大血管障害・骨減少症に次ぐ第6の合併症!
糖尿病の人は、歯周病になり易く(約2倍)進行も早いので、要注意です。そのわけは……
- 血管障害により口の中の血流が悪くなり白血球がきちんと運ばれず、抵抗力が落ちて歯周病菌に感染しやすくなります。
- 高血糖の状態で歯周病菌に感染すると、体は骨を溶かす物質を放出して骨を溶かしてしまいます。
- 傷の修復に重要なコラーゲンの代謝が悪くなって、傷の治りが悪くなります。
なんと歯周病は、糖尿病発症やコントロール悪化の手助けをします!
15年にわたるドイツの研究では、重度歯周炎に罹患している人は炎症が強いほどHbA1cが悪化傾向にありました。
歯周病になるとインスリンの効き目が悪くなるため、血糖値が下がりにくくなるのです。
最近の研究では、歯周病の治療をきちんと行ったところ、HbA1cが改善したという報告もあります。
※HbA1c (ヘモグロビン・エイワンシー)とは…直前の食事の影響を受けず、過去1 ~ 2 ヶ月の血糖状態を把握できる糖尿病の管理に重要な検査値です。
糖尿病の治療は3本柱から5本柱へ
口腔ケアのポイントは
- (1)毎食後正しい歯磨き
- 5分以上かけて丁寧に、歯ブラシは小刻みに、歯間ブラシやデンタルフロスも活用しましょう。
- (2)かかりつけ歯科に定期受診
- 早期発見早期治療が何より大事です。その人に合った歯磨き方法も伝授してくれます。
受診には糖尿病連携手帳を持参しましょう。
糖尿病療養指導士 土生(はぶ) みき子